江ノ電のおもちゃを走らせよう!その2

その1では車体の改造について紹介しましたが、その2ではシングルアームパンタの作り方を紹介します。プロトタイプはPT7117-Aですが作り易さを最優先して「それらしき」ものに仕上げました。
材料は工具箱にあった真鍮角材やパイプの切れ端でして、正確な寸法や軸径は意識してなく、屋根上のレリーフを元に大まかな寸法を割り出しているのでスケールよりやや大き目となっています。

部品一覧と寸法図

メインフレームは2×2mmの角材でそれ以外は端材を使用しています。台枠は約18×32mmで、ほぼ中央が可動部になるよう位置決めをします。可動部はパイプの2重構造で、長く延びているのは上昇止めで調整後にカットします。アングルをカットして碍子に取り付けるための脚を作ります。メインのアームは2.5×2.5mm角パイプの端4mmを欠き取り、1.5×1.5mm角材の端8mmを「くの字」に曲げて、アーム同士を重ねて接点に1mmの穴をあけ、ピンを通して立ち上げます。

シューは1.0×2.4mmのチャンネル材から作り、2枚をアングルで固定し0.8mm真鍮線で1本ホーンを取り付けます。突起しているのは水平アーム取り付け棒で最後に真鍮線で結んで傾きを調整します。シューの可動部分もパイプの2重構造とし、アームにハンダ付けします。

シングルアームパンタは2本のメインとなる脚と並行に、2本の棒を横から見て平行四辺形になるように添えることでバランスを取っているのが特徴です。このバランスが上手くいかないと、綺麗に上昇水平が保たれないのが難しいところです。また関節の遊びが多いと左右に傾いてしまうのもこの構造の宿命でして、実車と違い関節にベアリングを使えないのが辛いところです。このあたりの調整は実際に作ってみないとコツが分からないもので、同じ仕様で作った2基のパンタもそれぞれクセが出てしまったのは仕方ないところでしょう。

完成した2基のシングルアームパンタグラフ